
東京メトロ東西線と都営大江戸線が乗り入れているのが門前仲町。都心からは意外と近く、大手町からなんと3駅、6分も乗れば江戸情緒漂うこの下町に到着だ。交差点に立ち、ぐるりとあたりを見渡すと、目に入るのが橋の脇に立つやぐら。この辺りはもともと海への突端だったため、水難を知らせるためのものだったとか。埋め立て地となった今も、すぐ横の隅田川からの支流が流れ込み、水際の景色には事欠かない。心和む景色が点在するエリアである。
さっそく、やぐらのたもとの黒船橋(地図・3)から大横川沿いを越中島橋方面へ。ゆるやかな流れに導かれてプラプラと歩くと、猫が昼寝をしていたり、ヨチヨチ歩きの幼児と保母さんと散歩を楽しんでいたり、なんとものどかな情景。しかし対岸を見やると、異国を思い起こさせる古びた倉庫(地図・6)と、その奥に立ち並ぶ高層マンション群が一緒に目に飛び込んでくる。東京の新旧の物象が混在しているのだ。さらに先に進み、大島川にあたったところで、水門の横をすり抜ける…と、急に視界が開けた! そこは流々と流れる隅田川。飛び交うかもめ、荷を運ぶポッポ船など、開放的な景観。川沿いの越中島公園(地図・11)を闊歩し、爽快感に浸りたい。

清澄通りへ戻り、今度は大横川を牡丹町方面へ。その昔遊郭だったという面影が残る細い道が続く。途中、赤い鳥居の於三稲荷をのぞくと、なんと水琴窟を発見。透き通った水滴の音に心洗われる。さらに先、古石場橋から下へ降りると、親水公園(地図・10)へと出る。中央に浅めの小川、両サイドに小道というつくりで、細く長く900mも続く。住民が挨拶を交わしあったり、学生が話し込んでいたりなど、その憩いが微笑ましい場所だ。こちらも牡丹の植込みを眺めたり、小川に配された飛び石をケンケンなどしながら、頭上にかかる雀橋(地図・7)、関口橋(地図・8)、小津橋をくぐりつつブラブラ。そして琴平橋(地図・9)で上へ出て、東富橋(地図・4)を通って永代通りを渡る。
そこからはもう深川。富岡八幡宮(地図・2)、深川不動尊(地図・1)など、人が集まるにぎやかなエリア。不動尊へ向かうご利益通りは、揚げ饅頭、佃煮、お香など、ひやかしにのぞくのに楽しい店が続き、小道に入れば寿司屋や割烹も点在する。数分先にオフィス街が拡がるとは思えない独特の空気を持つ街だ。しかし、一方で、ビジネスが脈々と動いていることも、確実に伝わってくる。その絶妙なバランスを感じられる門前仲町に、ぜひ足を運んでみてほしい