■in the tube@みなとみらい駅/コンコースはメディアでもある
HP:http://www.miraitube.jp/main.html
みなとみらい駅のコンコースでは新しい実験が行われている。アーチ状の大きな壁に巨大な映像が照射されている。そこにはときどき雲が流れていたり、ルーレットになっていたり、座標軸が現れてなにやらゲームのようなものが始まっていたりする。最初はそれが何なのだかよくわからないが、しばらく眺めているとそこに規則性があることに気がつく。どうやらその映像は行き交う人々の動きに反応しているようだ。例えば、通り過ぎる人を追いかけるようにルーレットが端から廻り始めたり、雲が追いかけていったり……。文章で書いてもわからないと思うので、まずは体験あれ。
これはNTT東日本、NTT、横浜高速鉄道の3社とアーティストによる共同実験である。毎日多くの人々が通過するコンコースはメディアでもある。
当初はパブリックアートとして上記のような試みがなされているが、この空間とシステムはさまざまな可能性を持っている。例えば店舗情報を表示しておいて、人が立ち止まると詳細情報を表示したり、通過する人の属性に合わせてタイムリーに広告が飛び出したり。
「生きている壁」とでも言おうか、今後ITタグ(JRのスイカなどに使われている)などの技術が一般化すると、そこを偶然歩く人の特徴に合わせた情報や広告がポンッと飛び出したりすることになる、少なくとも理論的にはそれが可能だ。15年くらい昔の話になるが『バック・トゥー・ザ・フューチャー』という映画の未来を表現したワンシーンに、これとそっくりなシーンがあったのを思い出した。まさに「みなとみらい」という駅にはうってつけの試みではないだろうか。この場所はただの駅ではなく、新しいアイディアや技術の実験場でもあるわけだ。
みなとみらい線 みなとみらい駅 地下コンコース
8:00-22:00
主催 東日本電信電話株式会社,日本電信電話株式会社,横浜高速鉄道
企画・制作 篠原章夫,富田準二,木原民雄(NTT)
■BRASSERIE T's/食事と同時にアートも楽しむ
HP:http://www.br-ts.com/mm21/index.html
MAP:mapion
最近、横浜美術館内のレストランがリニュアールされた。それをきっかけに、美術館らしい新しい試みが始まろうとしていた。レストラン自体がギャラリー機能を持とうとしている。横浜美術館本館が大御所芸術家や歴史的なコレクションのためにあるとするなら、それに付帯したレストランはこれからの若手、新しい才能のために開放された場。食事と同時にアートも楽しむことができる。
料理長に話を聞いてみたところ、場所性を活かした企画がすでにいくつか考えられていた。
例えば、そのレストランの前にはちょうど水盤があるのだけど、そこを利用して薪能を行うというのだ。客はレストランの大きな窓越しにそれを眺めることができる。また、前庭での屋外コンサートも計画されている。夏の夕暮れ、静かに陽が落ちる中、薄暗くなり始めたオープンカフェで生演奏を聴きながら食事。想像して欲しい、なんて贅沢な時間なのだろうか。
もっともこれらを企画する料理長は、 「せっかくの環境だから、それを生かさなきゃね。僕がそういったことを呼びかけてみると、案外乗ってきてくれる人がたくさんいるんですよ」と、ごく自然なことのような言い方だった。
「でも、そういうクリエイティビティは料理にもいい影響を与えるから」。確かに、料理だって表現である。
表現したい人々はたくさんいる。それを鑑賞したい人もたくさんいる。でも、そのニーズがピッタリ一致する場所はなかなか見つからなかったのかもしれない。だとすると、横浜美術館に近接し広い庭を共有するレストランは、まさに両者が幸福に出会う場所だ。今後は、横浜美術館の大きな企画展と共に、その横で行われる小さな表現にも注目だ。
こうやって美術館はより開放され、本来持つべき役割を身につけ始めている。みなとみらいの街開きからもうすぐ15年。この埋め立てによって生まれた土地に文化がしっかり根を下ろし始めたことを実感できるエピソードのように思う。
BRASSERIE T's ブラスリー・ティーズ
住所:横浜市西区みなとみらい3ー4ー1横浜美術館内
TEL: 045-664-5686
営業時間:
LUNCH 11:30-2:15(ラストオーダー)
DINER 17:00-22:00<21:00(ラストオーダー)
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